斎藤研・杉本研合同基礎輪講 2015

第1回:画像処理の基礎(2月16日~2月20日)

1週目は,画像処理の基本的な技術を学び,理解してもらいます.また,OpenCVという画像処理用のライブラリを用いてのプログラミングに慣れてもらうことも目的です.
特に,皆さんは画像を扱うことが多くなると思いますので,行列を扱うMat型や明度値の取り出し方などに慣れてください.
OpenCVはとても強力なので,プログラムはすぐにかけると思いますが,重要なのはそのアルゴリズムや内容の理解です.
プログラムを書いて終わりではなく,こうすればこういう結果になるという考察をしながら研修を進めましょう.

1. 平滑化フィルタ

平滑化フィルタは,画像を滑らかにする処理です. 画像中のノイズを除去するためのに用いられます.
平滑化フィルタはいくつか種類があるので,それぞれの違いを考察しながら実装してみてください.

2. エッジ抽出フィルタ

エッジ抽出フィルタは,画像の明るさが鋭敏に変化する箇所を取り出す処理です. 画像中から特徴などを特定する際に用いられます.
エッジ抽出フィルタもいくつか種類があるので,それらの違いについて考察してください.

3. 2値画像に関するその他の基本的な画像処理

2値画像とは,1と0の2つの明度値をもつ白黒画像のことです. ここでは,2値画像を用いた様々な基本的な画像処理について学びます.
実装するものは,以下の4つから2つ以上を選択してもらいますが,どれも重要な手法なので,すべての項目について理解するようにしましょう.

・2値化

2値画像を生成する代表的な手法として,p-タイル法,モード法,判別分析法があります.

・太め・細め処理

太め・細め処理は画像中のノイズを除去することができます. なお,今回は2値の画像に用いますが,カラー画像でも太め・細め処理を用いる事も可能です.

・ラベリング

2値化された画像において、白の部分(または黒の部分)が連続した画素に同じ番号を割り振る処理をラべリングと言います.
ラべリングを行うことで,1つの領域だけ検出したり,領域を分類して保持しておくことができます.
ラべリングする際,どのようなアルゴリズムでプログラムが動いているか理解しておきましょう.

・背景差分

いくつかの画像を比べ,移動した人物や車などを検出する,移動物体検出というものがあります.
移動物体検出には,背景差分法,フレーム間差分法などの手法があります.